OpenEyeのご紹介 人類の健康増進に貢献するために
昨年9月、創薬に向けた計算分子設計分野で業界をリードするOpenEyeはケイデンスの一員として迎えられました。今回は、日本ケイデンスの季刊誌The Sound of Cadence Onlineの紙面をお借りして、OpenEyeとその技術についてご紹介させていただきます。
製薬会社やバイオテクノロジー企業が医薬品を開発する際、臨床試験で多くの医薬品候補が不合格になってしまうと、医薬品開発のコストに大きな影響を与えます。
計算機ソフトウェアを活用した医薬品設計により、合成前に医薬品候補となりうる分子の構造や機能のシミュレーションを行うことが可能になり、開発コストの低減に貢献することができます。また、企業がより詳細な試験や臨床試験に投資する前に、候補となる分子が吸収、分布、代謝、排泄、毒性にどのような影響を与えるかを予測することもできます。一方、このようなコンピュータシミュレーションには膨大な計算能力が必要ですが、製薬会社やバイオテクノロジー企業は、自社で計算機環境を構築するだけでなく、外部のクラウドベースのプラットフォームを利用することで計算機リソース不足に対応しています。
OpenEyeの革新的な分子モデリングおよびバイオシミュレーションソフトウェアは、25年以上にわたる実績があります。そして数年前より独自の計算プラットフォームをクラウド上に作成し、クラウド向けソフトウェアの提供も開始しています。OpenEyeは、業界をリードする科学的知見と、効率的なアルゴリズム、スケーラビリティによって創薬研究プロセスを支援する技術のパイオニアとなっています。
そして、ケイデンスが2022年9月にOpenEyeを買収し、OpenEye, Cadence Molecular Sciencesを設立したことで、さらに強固な設計ソリューションの開発・提供が約束されました。
OpenEyeは、米国ニューメキシコ州サンタフェに本社を置き、米国をはじめ、ドイツ、日本にも多くの従業員がおり、全世界で約150名の従業員を擁しています。
OpenEyeのクラウドプラットフォームであるOrion®とケイデンスの計算ソフトウェア(computational software)に関する専門知識を組み合わせることで、分子シミュレーションの信頼性とスピードをさらに向上させることができると考えています。さらに、チップ設計、分散処理、分子科学のリソースと能力を組み合わせることで、コンピュータサイエンスとシミュレーションが創薬プロセスの効率と成功率を大幅に向上させ、人々の健康増進に大きな影響を与えるという革命の最前線にケイデンスが立つことになります。
Cadence, Molecular SciencesのOpenEye担当コーポレート・バイスプレジデントであるアンソニー・ニコルズ博士は、「我々は、計算創薬の可能性の限界を広げるためにOpenEyeを設立しました。当社の3D検索技術、プログラミングツールキット、そして最近ではクラウドプラットフォームであるOrionの提供により、25年以上にわたって業界をリードしてきました。今回、ケイデンス社と共同で、より高いスケールと精度を追求する機会を得たことは大変光栄なことです。私たちは、医薬品設計がどのような方法であれ、計算機を活用した手法が主流になる時代が来ることを確信しています。」と述べています。
Orionユーザインターフェース
Orionは、強力なクラウドプラットフォーム上で、科学に基づく信頼性の高いアプリケーションを提供しています。Orionプラットフォームでは、計算、分析、チームメンバー間のコラボレーション、意思決定を可能にするために必要なすべてのツールとデータを、1つの統合されたWeb環境上で提供しています。
各種OpenEye製品については以下のページをご参照ください。
OpenEye製品全般
Orion:クラウドプラットフォーム
[プレスリリース]↓
ケイデンス、計算分子設計のパイオニア企業OpenEye Scientificの買収を完了(2022年9月2日発表)
お問い合わせ先:oe_japan@eyesopen.com
OpenEye
Sr Marketing Manager
Marshall Poindexter
(翻訳: OpenEye Japan 近田 千春)
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