SDC検証の包括ソリューションツールConformal Litmus誕生
〜 タイミング制約検証の新しい提案 〜
昨年新しく誕生したConformalファミリーの新しいツール、Conformal Litmusのご紹介をします。
Cadence®のConformal® Logic Equivalence Checking Solutionsファミリーには、すでに数えきれないほどの実績のあるConformal Equivalence Checker(EC)(論理等価検証)、Conformal ECO Designer(論理ECO)、Conformal Low Power(Low Power検証)、Conformal Constraint Designer(タイミング制約検証、以下CCD)と4つのツールがありますが、CCDをベースに大きな改善を行い、新たにConformal Litmusが誕生しました。
難しいと言われているタイミング制約検証ですが、皆様はどのように行っていらっしゃいますか?
- レポートが膨大で全て確認することができない
- 何に注目すべきなのか分からない
- デバッグしづらい
- そもそもSTAツールとの整合性はどうなのか?
このようなご意見を多数伺った上で、弊社のノウハウと経験を生かし、自信を持ってご提案できるConformal Litmusをご紹介します。
Conformal Litmusの大きな特長として、次の項目があります(Figure 1)。
Figure 1 : Conformal Litmusの特長
- ConformalのRTL/Netlistパーサーを搭載(Figure 1 - (1))
- 多数の実績のあるパーサーを使用することでRTLとネットリストのいずれにも対応可能
- 多数の実績のあるパーサーを使用することでRTLとネットリストのいずれにも対応可能
- Cadence STAツールのTempus™ Timing Signoff Solution(以下Tempus)と同じタイミングエンジンを搭載(Figure 1 – (2))
- Tempus(およびInnovus™ Implementation System、以下Innovus)と同じタイミング制約の解釈を行い、同じ解析コマンドが使用可能
- Tempus(およびInnovus™ Implementation System、以下Innovus)と同じタイミング制約の解釈を行い、同じ解析コマンドが使用可能
- CadenceのStylus Common User Interfaceに対応(Figure 1 – (3))
- InnovusやTempus、そしてGenus™ Synthesis Solutionと同じコマンド体系でデータベースへアクセス可能(モードの切替あり)
- InnovusやTempus、そしてGenus™ Synthesis Solutionと同じコマンド体系でデータベースへアクセス可能(モードの切替あり)
- Multi-CPUアーキテクチャの採用(Figure 1 – (4))
- 並列処理が可能となり、大規模デザインへの適用も可能
- 並列処理が可能となり、大規模デザインへの適用も可能
- タイミング制約やクロックドメインクロッシング検証における様々な手段のご提供(Figure 1 – (5))
- デバッグ容易性を高めるためのルートコーズに注目した擬似エラーの少ないレポートや、フィルタリング機能の搭載
- デバッグ容易性を高めるためのルートコーズに注目した擬似エラーの少ないレポートや、フィルタリング機能の搭載
Conformal LitmusはConformalとTempusの実績のあるパーサーとタイミングエンジンを搭載することで正確なデザイン、タイミング制約の解釈を行います。
加えて、出力するレポートのファイル形式やルートコーズに注目するようなレポート内容、コマンドによるレポートのフィルタリング機能等で、擬似エラーを安全に排除し、より問題点を絞りやすい手段を多数ご提案します。
また、GUI(Graphical User Interface)も一新し、問題点の傾向や原因を可視化できるような様々な工夫を施しています(Figure 2 / Figure 3)。
Figure 2 : Conformal Litmus GUI
Figure 3 : Conformal Litmus GUI diagnose window
Litmusには現在3つの機能があります。タイミング制約 の検証を行うConstraint signoff checkと、タイミング制約の組み上げやbudgetを行う際のタイミング制約整合性検証を行うHierarchical consistency check、クロック/リセット・ドメイン・クロッシングのチェックを行うClock/Reset domain crossing signoff checkの中から、今回はタイミング制約の検証を行うConstraint signoff checkとHierarchical consistency checkの機能をご紹介します。
- Constraint signoff check
- Hierarchical consistency check
- Clock/Reset domain crossing signoff check
- Constraint signoff check(Figure 4)
- 設計の様々な過程で、デザインとタイミング制約の検証を行います
- 制約の正しさ、不足、重複、矛盾や整合性を検証します
- 検証は次の項目で行います
- クロスチェック
- IOチェック
- 例外制約チェック
- Case analysisチェック
Figure 4 : Conformal Litmus Constraint signoff check
- Hierarchical signoff check(Figure 5)
- IPのタイミング制約組み上げやタイミング制約切り出しの際の、TopとBlockのタイミング制約整合性検証を行います
- 検証は次の項目で行います
- クロック整合性チェック
- IO整合性チェック
- 例外制約整合性チェック
- Case analysis整合性チェック
Figure 5 : Conformal Litmus Hierarchical consistency check
Constraint signoff checkとHierarchical consistency checkは両方ともルールベースの検証行うため、ルール毎にseverityの変更を行ったり、検証を実行する、しないの選択を行ったりすることが容易にできます。
そのため、デフォルトのルールセットを使用することも可能ですが、設計フェーズや必要な検証項目に合わせて、Conformal Litmusでの検証内容をカスタマイズすることが可能です。
また、ルール名は明確で、検出されたルールが何に関わるエラーであるか直感的に分かるようになっており、スクリプトも従来のCCDからは大きく簡素化され、シンプルに実行できるようになりました。
これからも抜群の使いやすさと正確さを目指していくConformal Litmusを使ってみませんか?
最後に、Conformal Litmusは日本国内でもテープアウト実績を積み上げています。そして、新しい機能も今後、続々搭載予定です。
これから益々成長していく新しいツール、Conformal Litmusへの皆様のご意見、ご要望をお待ちしております。
Conformal LitmusのClock domain check機能の詳細は別途ご紹介しますのでお楽しみに!
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姫井 芳奈
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