Dynamic Duo 2.0と新製品Palladium Z2 およびProtium X2のご紹介
ケイデンスは、4月6日(日本時間)にCadence® Palladium® Z2 Enterprise Emulation System(以下Palladium Z2)およびProtium™ X2 Enterprise Prototyping System(以下Protium X2)を発表しました。本稿では、このPalladium Z2、Protium X2、そしてこの2つのシステムを組み合わせたソリューション「Dynamic Duo」について説明します。
- 新製品 Palladium Z2、Protium X2
ケイデンスでは、論理検証用のプラットフォームとして、形式検証のJasperGold® Formal Verification Platform、論理シミュレータ― Xcelium™ Logic Simulation、そしてエミュレーション・プラットフォームPalladium、プロトタイピング・プラットフォーム Protiumをリリースしています(図1)。
今回発表された新製品「Palladium Z2」と「Protium X2」は、それぞれCadenceの既存のエミュレーション・プラットフォーム「Palladium Z1」とプロトタイピング・システム「Protium X1」をベースに改良されたもので、ラック当たりのデザイン容量(対応可能な回路規模)は両製品共に2倍にスケールアップし、パフォーマンス(実行速度)は1.5倍に向上しています。
図1 ケイデンス検証ソリューション - Dynamic Duo 2.0
ケイデンスの提案するDynamic Duoは、エミュレーションからプロトタイピングへの設計及びテストの円滑な移行を可能とするソリューションです。
Dynamic Duo 2.0では、新製品Palladium Z2及びProtium X2を密接に統合することにより、先進的な大規模SoCにおいて、サブシステム、チップレベルのハードウエア検証からリグレッションテストやソフトウエア検証までのシリコン前検証を加速します(図2)。Dynamic Duo 2.0の特長
- 統一されたデバッグ環境
- 共通のバーチャルおよび物理インタフェースなど、システムレベルのテストベンチ部品の共通化
- コンパイラのフロントエンドの共通化
図2 Dynamic Duo 2.0 - Palladium Z2 エンタープライズ・エミュレーション・プラットフォーム
4月6日に発表された最新システムPalladium Z2は、従来のPalladium Z1に比べてラックあたり2倍の容量と1.5倍のパフォーマンスを提供します。さらに、Palladium Z2では、最大184億ゲートまでスケーラブルにデザインを取り扱うことができます。 画期的なモジュラーコンパイルテクノロジによりコンパイル時間を劇的に短縮することができます(図3、図4)。
Palladium Z2の特長
- Palladium Z1比で対応回路規模が2倍、速度が1.5倍
- 高速TATを可能とするモジュラーコンパイラにより100億ゲート規模のデザインに対し10時間以内でコンパイル
- 波形ダンプ速度が10倍、デバッグトレース深度が2倍、メモリダンプおよびデバッグアップロード速度が2倍、ホストへのスループット幅が3倍
- Full Vision 2.0:新型改良版の高性能デバッグエンジン
- 800万ゲートから184億ゲートまでのスケーラブルな容量
図3 Palladium Z2, Protium X2の特長
図4 Palladium Z2からProtium X2へのスムースな移行 - Protium X2エンタープライズ・プロトタイピング・プラットフォーム
Palladium Z2と同時に発表されたProtium X2は、Xilinx社製の最新のVU19P FPGAを駆使することで、従来のProtium X1に比べ、ラックあたり2倍の容量と1.5倍のパフォーマンスを実現しました。また、Palladium Z2とフロントエンド・コンパイラは完全に統合化されており、Palladium Z2に使用される物理インタフェースとバーチャル・インタフェースをそのまま利用できます。これにより、Palladium Z2からProtium X2へのテストの移行を容易にします(図3、図4)。
Protium X2の特長
- Protium X1比でラック当たりの2倍の容量と1.5倍の性能向上を実現
- 10億ゲート規模のデザインにおける高速実行性能(Palladium Z2の3-5倍高速)
- Palladium Z2とフロントエンド・コンパイラ統合により、Palladium Z2実行環境からProtium X2への移行が容易
- 100億ゲート規模のデザインに対し24時間以内にコンパイル
- マルチユーザー実行
- まとめ
本稿では4月6日に発表されましたPalladium Z2 Enterprise Emulation SystemおよびProtium X2 Enterprise Prototyping System、そしてこの2つのシステムを組み合わせたDynamic Duo 2.0について説明しました。
Palladium Z2ならびにProtium X2の詳しい機能につきましては、次回以降のThe Sound of Cadence Onlineで説明する予定となっています。
Dynamic Duo関連情報:
- ブログ翻訳版:Dynamic Duo
- プレスリリース:ケイデンス、新製品Palladium Z2、Protium X2 システムを発表、シリコン製造開始前のハードウェアデバッグおよびソフトウェア検証を大幅に加速
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