Cadence OrCAD/Allegro 17.2-2016
最新機能改善と便利機能のご紹介
OrCAD®/Allegro® 17.2-2016の各プロダクトはファーストリリース以来、QIR (Quarterly Incremental Release)を通して継続的な機能拡張が実施しています。
本稿では、2017年12月リリースのQIR5から、最新の2018年10月リリースのQIR7で特に工数削減に有益な新機能や便利機能の一部を取り上げてご紹介します。
OrCAD Capture/CISコンストレイント・マネージャー
QIR7よりOrCAD Capture/CISから各種制約条件ルールを定義可能とするコンストレイント・マネージャー(Constraint Manager)が直接起動できるようになりました。回路設計者が制約条件を入力することにより、レイアウト設計まで一貫したコンストレイントドリブンフローを提供します。
ワークフロー・ビジョン(WorkFlow Vision)
電気的チェックがPCB Editor上でも行えるようになりました。5つのワークフローはPCB EditorのGUIから簡単に実行でき、結果をPCB Editor上にハイライト表示させ確認、修正することで設計と解析の手戻り削減と設計品質の向上を実現します。
インピーダンス/カップリング解析ワークフロー
信号の反射を引き起こす配線の特性インピーダンス不連続、クロストークの原因となる配線間カップリングを算出し、Impedance/Coupling VisionでPCB Editor上に表示します。
リターンパス解析ワークフロー
信号配線のリターンパス特性を指標化、またReturn Path Visionでリターン電流フローをPCB Editorキャンバスに表示し、リターンパスを視覚的に確認できます。
※この機能は、Allegro Sigrity™ SI Baseライセンスにてご利用可能です。
IRドロップ解析ワークフロー
電源経路における電圧ドロップを各電源ピンの単位で算出し、IR Drop Visionでは電圧ドロップをPCB Editorキャンバス上に表示します。
※この機能は、Allegro Sigrity PI Baseライセンスにてご利用可能です。
ビジョン・マネージャー (Vision Manager) - ルート・ビジョン (Route Vision)
コンストレイント・マネージャー (Constraint Manager)のルールチェック機能では検出できなかった配線形状の問題を容易に見つけることができる新しい包括的なチェックツールです。
設計中または設計後に使用可能な9つのチェック項目を必要に応じて選択し、問題の箇所をハイライトすると同時にログフォームも表示します。
DesignTrue DFMテクノロジーの機能拡張
QIR4で追加されたCadence® Allegro PCB DesignTrue DFMテクノロジーの機能拡張がされています。DFF(Design for Fabrication)、DFA(Design for Assembly)チェック項目の追加とともに、テストポイントの配置をチェックするDFT(Design For Testability)チェックが追加されました。
キャンバス機能の改善
PCB Editor操作画面においても、より効率的で快適な操作性を実現する機能改善が行われています。各種情報へアクセスできる新しいスタートページ、操作コマンドへのアクセス性を向上するワークフロー・パネルやアイコンのカスタマイズ機能等により設計をサポートします。
新しいスタートページ
スタートページがAllegroキャンバス内のタブとして追加されました。新規や既存のデザイン、最近開いたデザインをオープン、またCOS(Cadence Online Support)にログインすることなくベスト・プラクティスといった情報にアクセスすることができます。
ワークフロー・パネル
設計の基本タスクをフローに従い進めるようにコマンドが配置されます。また、カスタムフローの生成も可能です。
コマンド・ウィンドウ
コマンド入力時に有効なオート・コンプリート機能、使用履歴からのコマンド入力といった機能が追加され、キー入力でのコマンド実行をサポートします。
また、「Warning」はオレンジ、「Error」は赤とメッセージが強調されるように表示色が拡張され、重要なメッセージの視認性を向上しました。
イノテック株式会社
ICソリューション本部 OrCAD営業部
この記事に関する問い合せ先:
コーポレート・マーケティング部
E-mail:cdsj_info@cadence.com
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