「Correct by Design」で効率化を実現するAllegroソリューション
ひと昔前、嫌われる労働環境は『3K』と言われていました。「きつい(Kitsui)」「汚い(Kitanai)」、「危険(Kiken)」のそれぞれの頭文字が語源です。
最近では、異常なまでに厳しい労働条件の職場が「ブラック」と表現されるようになりましたが、『新3K』なる言葉も生まれているのをご存じでしたか?「きつい」の他に、「厳しい」や「帰れない」、「給料が安い」、「休暇取れない」など、肉体的な過酷さよりもむしろ精神的な過酷さを表すのが『新3K』のようです。ちなみに、どの3つをピックアップするのかについては諸説あるそうです。
設計業務に携わる皆さん、当てはまるもの、ありませんか??
エレクトロニクス産業は日本経済を牽引する業種の一つであり、世界中に向けてキラキラした製品をたくさん送り出してきました。そこには、日本が誇る最先端の技術と高い品質の裏打ちがありました。
その陰で、エンジニアの方々には、まさに「新3K」と揶揄されるのとまったく同じ状況での頑張りがあったことでしょう。短期間で設計を上げるために深夜残業をしたのに、他部門との調整で設計変更が繰り返されて休日返上、思うような性能が得られずにまたやり直し…。「定時退社日には隠れて残業をするのが大変だった」というようなお話もよく伺います。
かつては当たり前のようだったこのようなエピソードですが、働き方改革が叫ばれる今日においては、過去の英雄譚として棚の奥にしまいこむことになりそうです。
状況は大きく変化しています。海外との価格競争が厳しくなり、差別化を図るためには独自性のある製品をどこよりも早く開発して市場に投入することが求められます。それでも、品質を犠牲にすることは日本企業としてのプライドが許しませんし信頼の失墜につながってしまいます。
現代のこのような状況に対応するためには、新しい方法を考える必要があります。
ケイデンスでは、これまで以上に要求の高まっている短TAT・低コストと品質維持向上のための設計ソリューションを数多く展開しています。
最近の方向性として、"Trial and Error"(試行錯誤)に費やされる時間を節約し、"Correct by Design"、つまり、設計を進めていけばおのずから適正な状態になっていく、という思想に基づく機能開発を行っています。
一例として、基板設計の後工程という位置付けにあった製造性検証を、基板設計の中でリアルタイムDRCとして検証できるようにするためのソリューション“Allegro® PCB DesignTrue DFM Technology” があります。設計が終わった基板を製造側の都合で設計変更することになれば、工数が余計にかかってしまいます。DesignTrue DFM Technologyは、これまでは後工程に進んでから顕在化していたDFMエラー箇所をなるべく設計段階で検出することを可能にします。さらに、最適なDFMルールをプリント基板メーカーから弊社基板設計製品をご使用のお客様に提供していただける仕組みとして「Cadence DesignTrue DFMエコシステム」の運用を開始いたしました。これにより、ユーザー様は適正なルールを外部から入手することが可能となり、プリント基板メーカー様は自社のクライアントとなるユーザー様と連携してよりスムーズな製造が実現できるようになります。
また、”Correct by Design"で想定されるデザインは基板単体に限りません。これからはシステム全体を考慮した設計を複数部門で同時並行的に進めることが求められます。システムの構成要素となる複数の基板とその筐体とを組み合わせたとき、手戻りなく適正品質の製品が完成できるように、システム設計の早期段階からケイデンスのソリューションを役立てていただける仕組みをご提供します。
工数が削減できて業務に余裕が出来た、そう喜んでいただけるよう、ケイデンスはこれからもお客様の課題の解決に取り組んで参ります。
さて、例年、秋から冬にかけてAllegro/OrCADの「アップデート・セミナー」、Sigrityの「Sigrityフォーラム」をそれぞれ開催しておりましたが、今年は『Cadence基板設計&解析 テクノロジー・フォーラム 2018』と題し、11/1(木)~2(金)の2日間の日程で開催いたします。
11/1(木) 13:00からは設計ツールセッション、11/2(金) 10:00からは解析ツールセッションとして、それぞれの最新ソリューションをご紹介します。
是非とも足をお運びいただき、Allegro/OrCAD/Sigrityの最新情報をご覧いただけますよう、ご参加お待ちしております。
SPB/Allegro, OrCAD, Sigrity and ICP Productsグループ
吉崎 郁恵
この記事に関する問い合せ先:
コーポレート・マーケティング部
E-mail:cdsj_info@cadence.com
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