1000 CPUまで高いScalabilityを維持してFSで容量抽出が可能 – Massive Parallel Quantus FS(3D Field Solver)
今回はケイデンスのMassively Parallel Quantus FS(3D Field Solver)(*1)をご紹介します。
はじめに
一般的な寄生容量抽出の手法としては、容量モデルをベースとする2.5Dのパターンマッチ手法と、Solverをベースとする3D Filed Solver手法(FS)があります。
ケイデンスのVirtuosoをPlatformとするSign-offレベルでのFSとして、従来のQRCFSでは、deterministic手法で寄生容量値を求めるのに対して、Quantus FSでは、統計的手法を取り入れたprobabilistic手法で寄生容量値を求めております。
今回ご紹介するMassively Parallel Quantus FSは、Quantus FSをベースに、大規模なCPUを用いて効率よく処理を行って寄生容量値を求める事が可能となっております。Massively Parallel Quantus FSは、昨年の8月にリリースされましたEXT17.1.2よりサポートを開始しております。
FSの特長とパフォーマンス比較
特長
Massively Parallel Quantus FSの特長は、
① パフォーマンス
- 1000CPUまでlinearなscalabilityを維持
- Massively Parallelアルゴリズムにより、小規模のCPUでもQuantus FSより短TATを実現
- 業界初のcloud環境(*2)に対応して実行可能
② 精度
- Advanced-nodeに要求される高精度の抽出が可能
- 7nm以下の先端プロセスに対してファンダリーがQuantus FSを認証
- Non planar構造をサポート
③ 少ない寄生RC素子数がPost SimulationのTAT短縮に寄与
④ 他のCadence Toolとの親和性
などが挙げられます。
Cloud環境に対応して1000CPUを超える規模で実行可能
少ないCPUでも高いPerformanceを発揮
Virtuosoプラットフォーム・ツール、Innovusプラットフォーム・ツールとの親和性
適用事例
- ケイデンスのLiberateを適用して、ライブラリを構築する際、スタンダードセルをキャラクタライズする上では、セル数とコーナー条件を掛け合せるとQuantusで抽出するJOBの個数としては数千を超える場合もあります。
- このようなスタンダードセルのキャラクタライズ、同様にカスタムIPのキャラクタライズに、Massively Parallel Quantus FSを適用することで、全ネットをFSの高精度で、且つ短時間で抽出可能となります。
- Massively Parallel Quantus FSを適用することにより、全ネットをFSの高精度で、かつ短時間で抽出することができるので、RF IC、Mixed Signal IC、PowerMOS IC、車載向けICなどのアナログ製品設計、また、SRAM, DRAM, MRAM, Flashなどのメモリ製品設計に、Massively Parallel Quantus FSを適用できます。
- 一般的にNon-Manhattanレイアウトの場合、2.5Dのパターンマッチ手法では期待する抽出精度が得られない場合もあります。そのような場合にMassively Parallel Quantus FSを適用します。
- その例として、Non-Manhattan レイアウトを多用するLCD製品設計に、Massively Parallel Quantus FSを適用することで、全ネットをFSの高精度で、かつ短時間で抽出可能となります。
参考
(*1)
弊社のhttps://www.cadence.com/go/quantus-extraction.html
サイトでより詳細な情報を得ることができますので、ぜひそちらをご参照下さい。
(*2)
ケイデンスでは、
・Amazon Web Services (AWS)クラウドプラットフォーム
・Microsoft Azureクラウドプラットフォーム
・Googleクラウドプラットフォーム
というように、各社と協業してケイデンスのソフトウェアをクラウドに対応させるということを推進しております。お客様は、クラウドコンピューティングを使用することにより、スケーラブルなコンピュータリソースを数週間、数か月ではなく数分、数時間という単位で利用可能になります。これにより、生産性、拡張性、セキュリティ、柔軟性を強化し、開発プロセスのスループット全体を向上することが可能です。
Cadence Cloud Solutionの詳細については、www.cadence.com/go/ccloudaisc をご参照ください。
フィールドエンジニアリング&サービス本部
奥秋 勝己
この記事に関する問い合せ先:
コーポレート・マーケティング部
E-mail:cdsj_info@cadence.com
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