Dr. Vinod Kariatに「Legato Memory Solution」について話を聞く
高度な機能を凝縮した設計環境により、設計工程が自動化され、ケイデンスの革新的なツールを使用して製品をより早く市場に投入することが可能となります。マルチコーナー解析およびモンテカルロ解析を実行する際に既存のシミュレーションデータベースを利用する特許出願中の新しいCadence Super Sweepテクノロジが含まれており、実行時間及びシミュレーションのスループットを向上することができます。
Cadence® Legato™ Memory Solutionには以下の機能が含まれています。
- ビットセル設計および検証環境:ばらつき解析を含むビットセル設計機能
- メモリコンパイラ設計および検証環境:フルメモリアレイの設計および検証機能。新しいSuper Sweepテクノロジを使用することにより、先端ノード設計において精度及びシミュレーションスループットの最適化が可能
- メモリキャラクタライゼーション環境:メモリキャラクタライズ環境と回路シミュレーション環境が緊密に統合された、SoC (system-on-chip)フルチップ解析用メモリモデルのLibertyフォーマット生成機能
「Legato Memory Solution」について、開発責任者であるCorporate VP of R&DのDr. Vinod Kariatに話を聞きました。
ー「 Legato Memory Solution」が発表されましたが、どのようなツールなのか内容を教えてください
メモリの設計、検証、キャラクタライズの機能をまとめたソリューションコックピットとなります。一般的にメモリ設計では、ビットセル設計/バリエーション解析、フルメモリインスタンスの解析/検証、タイミング/パワーのキャラクタライズの3つの工程があります。「Legato Memory Solution」では、これらすべてを一貫性を持った形で1つのコックピットとしてカバーすることができます。
ー何故、このソリューションをリリースしたのですか?
今日のSoC設計では、メモリアレイはかなりの面積を占めるようになり、しばしばタイミング、歩留まり、設計スケジュールに影響を与えます。また、パフォーマンスや消費電力に対する要求は世代が進む毎に、より厳しくなっています。設計者が日々直面しているこれらの課題に対して、ソリューションの提供が必要でした。
ーメモリ設計者が直面している課題とはどのようなものがあげられますか?
最も大きな課題はtime to marketとなります。 厳しいスケジュールの中、設計を完了させ、かつ歩留まりも向上させる必要があります。メモリ設計者はしばしば使用しているツール間やフローに起因する課題に直面します。フローの問題としては、設計、検証、モデル作成に、それぞれ異なるベンダーのツールを使用しているケースです。例えばマージン解析に高速Spiceを使用する場合、各ツールやLibertyタイミング/パワーモデルを生成するスクリプトを統合する作業が必要となります。「Legato Memory Solution」を使用することで、ツールやフローの繋ぎの部分に時間を取られることなく、必要なパフォーマンスや消費電力を得られるようメモリ設計を期間内に完了させることにフォーカスすることができます。
ーユーザからのフィードバックはありますか?
ソシオネクスト様に先行ユーザとして使用いただいています。岡本𠮷史様 (取締役執行役員常務 兼 CTO) から以下のコメントをいただいています。
「映像、ネットワーク、コンピューティング分野で長年培ってきた技術を元に、様々なアプリケーションを支え世界をリードするSoC (System-on-Chip)ソリューションのサプライヤーとして、メモリーマクロの高精度なシミュレーションは、SoCの面積および消費電力の最小化に不可欠です。ケイデンスのLegato Memory Solutionを使用することによって、従来のツールソリューションと比較して設計生産性が2倍向上し、SoC向け12nmメモリーマクロ設計のテープアウトに成功しました。さらに、シミュレーション結果とシリコン測定の高い相関性を確認することもできました。」
また、Invecas様から「Legato Memory Solution」を使用した効果についてフィードバックをいただいています。ビデオが公開されていますのでご参照ください。“exponential saving in runtime and memory”
さらに、Marvell様からはCDNLive Israel 2017で適用事例をご発表いただいております。their experience at CDNLive Israel
注)本事例の資料をご覧頂くためには、cadence.comへのログインが必要となります。IDをお持ちでない方は、お手数ですが、上記をクリックしていただいた後に表示されるログイン画面の「Register Now」よりご登録下さい。(日本ケイデンスのマイページ用IDとは異なります。)
ー“Legato”(レガート)の名称の由来は?
Cadenceと同様、Legatoは音楽用語です。音を切らずになめらかに、という意味です。これはまさに我々のメモリ設計ソリューションを表している言葉だと思います。メモリ設計、検証、キャラクタライズをシームレスに統合されたコックピットを提供します。これにより設計者はツールやフローに余計な気を使うことなく、設計そのものにフォーカスできます。今後もソリューションプラットフォームのファミリーネームにLegatoの名称を使用していきます。2018年に第二弾のリリースを予定していますので、ご期待いただけばと思います。
ケイデンスLegato Memory Solutionの詳細については、こちらをご覧ください。
Legato Memory Solutionは即日出荷可能です。
テクノロジーセールスリード
カスタムIC&シミュレーション
グループディレクター
佐藤 伸久
この記事に関する問い合せ先:
コーポレート・マーケティング部
E-mail:cdsj_info@cadence.com
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