ケイデンス、Arm社と協業、オートモーティブ・チップレット・エコシステムを急拡大
13 Mar 2024
Arm社の最新のAutomotive Enhancedテクノロジーに基づくADASチップレットの
リファレンスデザインとソフトウェア開発プラットフォームにより
SDVの市場投入までの時間を短縮
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、3月13日(米国時間)、Arm社との連携により、チップレットベースのリファレンスデザインとソフトウェア開発プラットフォームを提供し、SDV(Software-Defined Vehicle)のイノベーションを加速することを発表しました。ADAS(Advanced Driver Assistance System)アプリケーション向けであるこの車載用リファレンスデザインは、スケーラブルなチップレットアーキテクチャとインターフェースのインターオペラビリティを向上させます。その結果、業界全体の連携を促進・ヘテロジニアスの統合を可能にし、システムイノベーションを拡大します。
このソリューションは、最新世代のArm® Automotive EnhancedテクノロジーとCadence® IPを使用して設計・構築されています。補完的なソフトウェアスタック開発プラットフォームは、Scalable Open Architecture for Embedded Edge(SOAFEE)イニシアチブのソフトウェア標準に準拠したハードウェアのデジタルツインとして提供され、ハードウェアが利用可能になる前にソフトウェア開発を開始し、システム統合の検証を可能にします。このソリューションを組み合わせることで、ハードウェアとソフトウェアの両方の開発がスピードアップし、市場投入までの時間が短縮されます。
ADASとSDVの普及が進むにつれ、より複雑なAIとソフトウェア機能、カーエレクトロニクスのエコシステムおけるインターオペラビリティとコラボレーションの更なる向上が求められています。多くの車載アプリケーション向けに3D-ICシステムを迅速にカスタマイズする必要性と相まって、チップレットはますます魅力的なソリューションとなっています。しかし、異なるIPプロバイダーのチップレットがシームレスに連携できることが極めて重要です。さらに、自動車開発のペースが速いため、3D-ICシステム開発者は、IPとチップレットを設計している間にプロセスフローをシフトレフトするためのソフトウェア開発プラットフォームを持つ必要があります。
新しいソリューションアーキテクチャとリファレンスデザインは、チップレット・インターフェースのインターオペラビリティの標準化を提供し、業界の重要なニーズに対応します。ケイデンスのソリューションには以下が含まれまれています。
- 仮想およびハイブリッドプラットフォームの迅速な作成が可能なHelium™ Virtual and Hybrid Studio、ソフトウェア開発者向け大規模な配置のサポートが可能なHelium Software Digital Twin
- 高速チップレット間通信のためのUniversal Chiplet Interconnect Express™(UCIe™)を含む、業界をリードするインターフェイスおよびメモリプロトコルのためのI/O IPソリューション
- 高度なAIソリューション、Neo™ ニューラル・プロセッシング・ユニット (NPU) IP、機械学習(ML)ソリューション向けNeuroWeave™ソフトウェア開発キット(SDK)、世界トップクラスのDSP computeソリューションを含む包括的なコンピュートIPポートフォリオ
【製品提供情報】
リファレンス・プラットフォーム用の仮想プラットフォームとコンポーネントIPは、アーリーアダプター向けに提供中です。詳細は、こちらのブログならびに、SDV Webページをご覧ください。
Arm社コメント
Dipti Vachani氏(senior vice president and general manager, Automotive Line of Business)
「自動車業界は急速に進化しており、AIとソフトウェアの進歩により、開発サイクルのスピードアップの必要性が高まっています。ケイデンスのような重要なエコシステムパートナーと共に、私たちの最新Automotive Enhancedテクノロジーに支えられた設計・検証技術の完全なソリューションを提供することで、より迅速なソフトウェアおよびハードウェア開発を実現し、開発者はシリコンが市場に出回る以前に次世代SDVの構築を開始することができます。」
ケイデンス・コメント
Paul Cunningham(senior vice president and general manager of the System Verification Group)
「今日の複雑化するSDVの開発において、システム設計全体の作業負荷を軽減し、ハードウェアとソフトウェアの開発リソースをシフトさせることは、市場投入までの時間の短縮に対応するために非常に重要です。仮想プラットフォームとチップレットは、いずれも車載用3D-IC SoC開発者にとって重要な成功要因です。Arm社と密接に協力することで、ソフトウェアとハードウェアの開発・検証プロセスにおける非効率性の問題に取り組むと共に、車載半導体向けのマルチダイ・チップレットエコシステムを促進します。」
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積してきた演算処理ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子システム設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、コンシューマー、産業向け、ヘルスケアなど成長市場において開発される様々なアプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は9年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
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フィールド・マーケティング部
E-mail: japan_pr@cadence.com