ケイデンス、インテリジェンスの普及およびエッジAI推論用の新しいHiFiおよびVision DSPでテンシリカIPポートフォリオを拡張
25 Oct 2023
AI機能の強化とTensilica Xtensa LX8プラットフォームの機能により、
業界最高の電力効率と大幅な性能向上を実現
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、10月24日(米国時間)、先日発表したTensilica Xtensa® LX8プロセッサプラットフォームをベースとした4つの新しいDSPをリリースし、業界をリードするTensilica® HiFiおよびVision DSPファミリを拡張したことを発表しました。新しいHiFi DSPとVision DSPは、拡大するアプリケーションのシステム・レベルの性能とAI要件に対応し、複数のアルゴリズムにわたって強化された性能を、さらに優れたエネルギー効率で実現します。拡張されたポートフォリオには、オーディオ/ボイス、高性能イメージング、AIアプリケーション向けのCadence® Tensilica HiFi 1s DSPとHiFi 5s DSP、イメージセンサ、カメラ、レーダー、ライダーアプリケーション向けのTensilica Vision 110 DSPとVision 130 DSPが含まれます。
Xtensa LX8プラットフォームと共通の利点
新しいHiFiとVision DSPは、低レイテンシを実現するためのAMBA® AXIのネイティブサポートや、システムパフォーマンスを向上させるためのL2キャッシュなど、Xtensa LX8プラットフォーム固有の特長を備えています。さらに分岐予測により、HiFi DSPとVision DSPの両方でサイクルを5%から20%削減することができます。ケイデンスの新しいNeuroWeave™ Software Development Kit (SDK)がサポートするDSPは、ケイデンスNeo™ Neural Processing Units (NPU)と組み合わせることで、AI推測の負荷を軽減することができます。
HiFi 1sとHiFi 5s DSP
新しいテンシリカのHiFi DSPは、市場の要求に応えるために、軽量イメージングとAI向けの機能を追加しています。これにより、スタンドアロンのソリューションとして、あるいはVision DSPやNeo NPUを補完する形で、オーディオ以外の追加コンピューティングリソースとしての役割を果たすことができます。個別に、あるいは総体的に、以下の機能により、すぐに使用できるout-of-boxのパフォーマンスが大幅に改善され、OEMやソフトウェア開発者の市場投入時間が劇的に短縮されます:
- 倍精度の浮動小数アクセラレーションは、一般的なコーデックのout-of-boxパフォーマンスを最大30倍向上させ、ダイナミック・レンジと精度を必要とする演算をより簡単に処理できるようにします
- ハードウェア/ソフトウェア協調設計により、自動ベクトル化が強化され、手作業によるコード最適化の必要性が大幅に削減され、さらにHiFi DSP間でソースコードの互換性が得られます
- HiFi 1s DSPの新しい8ビット演算により、HiFi 1 DSPと比較して、画像処理とAIの性能がカーネルレベルで最大2倍向上
- L2キャッシュによりシステム性能が最大50%向上
新しいHiFi DSPの詳細は、www.cadence.com/go/HiFi1s、www.cadence.com/go/HiFi5sをご確認ください。
Vision 110と130 DSPs
128ビットのTensilica Vision 110 DSPと512ビットのVision 130 DSPは、CPUやGPUからオフロードしながら、業界最高のエネルギー効率を提供し、増大するセンサーやAIのワークロードに対応するために、多くの性能向上を実現しています。これらのDSPは、特定のAIワークロードで最大3倍、特定のカーネルで最大5倍のAI性能向上を実現します。その他の利点は以下の通りです:
- 16ビット、32ビット、64ビットの浮動小数点の動作周波数が最大20%向上し、性能が最大2倍向上
- フラッグシップ高性能Vision DSPでのみ利用可能であったiDMAのさらなる拡張機能によるシステム性能の向上
- レーダー向け高速フーリエ変換(FFT)が最大3倍向上
- コードサイズの改善によるコード・メモリ・フットプリントの削減
- Vision DSPと共通のSIMDおよびVLIWアーキテクチャと命令セットにより、ソフトウェアの移行が容易
新しいVision DSPの詳細は、www.cadence.com/go/Vision110、 www.cadence.com/go/Vision130をご確認ください。
Hailo社コメント
Guy Kaminitz氏 (VP VLSI)
「Hailoは、成長するエッジAI市場に対応する強力なAI向けVisionプロセッサを開発しています。最近発表したIPカメラ市場をターゲットとしたHailo-15デバイスでは、当社独自のニューラル・エンジンを補完する演算サブシステムの中に、ケイデンスのTensilica DSPを採用しました。ケイデンスのTensilica DSPは、このようなヘテロジニアスデバイスに必要な性能とエネルギー効率、柔軟性を提供します」
Kneron社コメント
Albert Liu氏 (CEO)
「Kneronは、数多くのオンデバイスおよびエッジAIアプリケーション向けに市場をリードするSoCを開発し続けており、当社の高性能NPUを補完する効率的なプロセッサを選択することは極めて重要です。ケイデンスのTensilica Vision DSPは、今日の複雑なAIワークロードの要件に対応するために必要な演算スループットと柔軟性を備えています。さらに、Tensilicaの広範なソフトウェアライブラリのフレームワークと強力なパートナーエコシステムは、迅速な市場投入を可能にします。」
ケイデンス・コメント
David Glasco(vice president of research and development for Tensilica IP)
「SoCの設計サイクルは長く、AIアルゴリズムは急速に変化するため、当社のユーザーは最大限の柔軟性を求めています。オンデバイスおよびエッジAIシステムは多数の多様なセンサーを備えているため、AI 推論ソリューションは最終製品の必要要件に適応できなければなりません。システムレベルの視点で設計することが極めて重要であり、これらのSoCは、新しいニューラルネットワークに対応できるよう、エネルギー効率に優れ、柔軟性があり、将来性を備えていなければなりません。ケイデンスは、Tensilicaの製品開発に多大な投資を継続しており、最新のHiFi DSPとVision DSPもその一環となっています。」
提供時期
Tensilica HiFiとVision DSPは、ケイデンスのIntelligent System Design™戦略を支え、卓越した完成度の高いSoC設計を可能にします。HiFi 3z DSP、HiFi 4 DSP、ConnX 110 DSP、ConnX 120 DSP、MathX 110 DSP、MathX 130 DSPもXtensa LX8プラットフォームにアップグレードされました。
Vision 110 DSPとVision 130 DSP、そしてアップグレードされたConnX 110 DSP、ConnX 120 DSP、MathX 110 DSP、MathX 130 DSPは現在販売中です。新しいHiFi DSPは2023年12月に一般販売される予定です。
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積してきた演算処理ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子システム設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、コンシューマー、産業向け、ヘルスケアなど成長市場において開発される様々なアプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は9年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
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