ケイデンス、Fidelity CFDソリューションにより、マルチフィジックスシステムシミュレーションのパフォーマンスと精度において新たな時代を先導
Yokohama, 20 Apr 2022
要旨:
- NUMECAおよびPointwiseのテクノロジとともに画期的な新技術を緊密に統合し、開発効率を大幅に改善
- 次世代高次精度CFDソルバーにより精度が最大10倍改善
- 新しい大規模並列アーキテクチャにより、航空宇宙、自動車、防衛、海洋、ターボ機械などの複雑なCFD解析のターンアラウンドタイムを数週間から1日以内へと短縮
- Fidelity CFDにより航空宇宙分野で使用されている業界最先端のPointwiseソリューションのメッシング処理を最大3倍高速化することも可能
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、4月19日(米国時間)、自動車、ターボ機械、海洋、航空宇宙、など様々な市場に向け、マルチフィジックスシミュレーションのパフォーマンスと精度に関する新たな時代の先駆けとなる包括的な数値流体力学 (CFD: computational fluid dynamics) ソリューションCadence® Fidelity™ CFD Softwareを発表しました。Fidelity CFDは、高次精度解法、高精度乱流シミュレーション、大規模計算高速化を特長とする次世代流体解析ソルバーを提供し、精度を最大10倍改善させ、さらにパフォーマンスを向上し、開発ターンアラウンドタイムを短縮することが可能になります。
Fidelity CFDを使用することにより、技術者は、道路車両周辺の風切り音への対処、次世代航空機デザインの飛行エンベロープの拡大、風力タービンおよびガスタービンで生成される電力の最適化、船舶の燃料消費の削減などに対応することが可能になり、シミュレーションの高い精度を維持しながら飛躍的に開発ターンアラウンドタイムを短縮することが可能になります。
Fidelity CFDは、NUMECAおよびPointwiseそれぞれの流体分野における専門知識や技術と、ケイデンスが独自に蓄積してきた演算処理ソフトウェア(computational software)の専門知識をベースに開発され、CFDエンジニアが合理的なワークフローでマルチフィジックスシステムのシミュレーションを実行する上で必要となる技術をすべて統合したソリューションです。
Fidelity CFDには、船舶に対応したFidelity Marineやターボ機械に特化したFidelity Turbo、その他多様なアプリケーションに対応したソリューションを提供することが可能です。Fidelity CFDを使用することにより、技術者は、道路車両周辺の風切り音への対処、次世代航空機デザインの飛行エンベロープの拡大、風力タービンおよびガスタービンで生成される電力の最適化、船舶の燃料消費の削減などに対応することが可能になり、シミュレーションの高い精度を維持しながら飛躍的に開発ターンアラウンドタイムを短縮することが可能になります。特に、Fidelity CFDソフトウェアに含まれるNUMECAとPointwiseのメッシュ生成技術は、自動車、ターボ機械、航空宇宙産業の主要なお客様に重要な機能を提供しています。
ケイデンス・コメント
Tom Beckley(Senior vice president and general manager・Custom IC and PCB Group)
「Fidelity CFDはあらゆるマーケットにおいて、数値流体力学のパフォーマンスと精度を大きく向上します。お客様は、Fidelity CFDソフトウェアが提供する次世代CFDソルバーにより、自動車、ターボ機械、航空宇宙など、乱流を正確にモデリングしなければならない高度なアプリケーションにおいて、システムのパフォーマンスに関するかつてない技術的な知見を迅速に得ることが可能になります。」
Fidelity CFDには、従来のCFDソルバー技術の制約を打ち破る大きな技術革新が含まれています。Fidelity CFDソフトウェアが提供する次世代高次精度CFDソルバーは、乱流の高度なシミュレーションにより、自動車の空気抵抗を従来のCFDソルバーに比べて最大10倍の精度で予測する能力を実証しました。さらに、これらの高精度なシミュレーションのターンアラウンドタイムを数週間から1日以内に短縮することが可能です。
また、Fidelity CFDの特長のひとつとしてNUMECAおよびPointwiseチームのメッシングに関する専門技術が挙げられます。CFDエンジニアの作業時間のうち形状クリーンアップおよびメッシュ作成が最大で75%占めることもありますが、Fidelity CFDはこの分野における長年にわたる革新の伝統と処理時間削減の実績をベースに開発されました。メッシュ技術の統合が進む一方で、ソフトウェア製品も個々に進化を続けています。特に、Fidelity Pointwise Meshingのリリースにより、民間・軍用航空機や宇宙ロケット周りの流れ場のメッシュ作成を最大3倍まで加速することができます。
Fidelity CFDソフトウェアのメッシュ作成機能は、自動車分野への応用をさらに強化します。
Toyota Motor Europe社コメント
Antoine Delacroix氏(Manager・Vehicle Performance Engineering R&D)
「当社は、CFD前処理の標準ワークフローに、NUMECAのAutosealおよびHexpressを採用しました。これらの優れた技術により、一貫して優れたレイヤーカバレッジで高品質なメッシュを得ることができ、総リードタイムを91%、作業時間を97%短縮することができました。 自動化、標準化のレベルが高く、CADでのメッシュ作成に関する前処理のトレーニングなどは必要ありませんでした。旧NUMECAのチームはケイデンスの一部となって以来、価値のある新しいソリューションを引き続き実現しています。我々は、すべてのツールがFidelity CFDに統合されたことを喜ばしく思い、今後も継続的な革新を楽しみにしています。」
Fidelity CFDは、空力解析だけでなく、船舶海洋分野の自由表面解析まで幅広く対応しており、ヨットレースのアメリカズカップのように解析難易度の高い用途にも使用されています。
アメリカズカップチャンピオンEmirates Team New Zealandコメント
Dan Bernasconi氏(Technical Director)
「AC75ヨットは“水上の飛行”にほとんどの時間を費やしますが、AC36で、レースはすべて加速フェーズとテイクオフフェーズに左右されるということが分かりました。船体のデザインをテイクオフおよびタッチダウンの流体力学的効率に合わせて最適化することが、アメリカズカップでの勝利には不可欠でした。Emirates Team New Zealandは、このパフォーマンスを予測してくれるケイデンスのFidelity Marine Solverを信頼しています。Fidelity Marineは、船体の流体力学モデリングの最先端シミュレーションツールであり、我々のツール群で大変重要な役割を果たしています。」
Fidelity CFDの発表、そして長年にわたり蓄積されたIntelligent System Design™をベースに、ケイデンスは、お客様のさらに高まる演算ニーズを満たす広範な流体シミュレーションソリューションを開発、実現することができる体制を整えています。Fidelity CFDについての詳細は www.cadence.com/go/cfdをご参照ください。
ケイデンスについて
ケイデンスは電子設計の分野における中心的なリーダーであり、30年以上に渡り蓄積したComputational Softwareに関する専門知識をベースに製品開発を進めています。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、コンシューマー、産業向け、ヘルスケアなど、成長市場において開発される様々なアプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。ケイデンスは過去8年間にわたり、Fortune誌の「働きたい会社ベスト100」にランキングされています。ケイデンスに関する詳細についてはwww.cadence.comをご参照ください。
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