ケイデンスのTensilica DSP IP、自動車、コンシューマー、インダストリー市場向けにレーダー、ライダー、通信処理を強化
01 Jul 2022
新製品Tensilica ConnX 110およびConnX 120 DSPが最適なPPAとより柔軟な演算オプションを提供
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、6月30日(米国時間)、自動車、コンシューマー、インダストリー市場向けアプリケーションの組み込み処理をサポートするDSP IPコア新製品2種をリリースし、市場で普及しているTensilica® ConnXファミリーのレーダー、ライダー、通信向け製品ポートフォリオを拡張したことを発表しました。面積が小さく、低消費電力の新製品Cadence® Tensilica ConnX 110 / 120 DSPは、市場で実績のある高パフォーマンスのConnX B10 / B20 DSPとISA (命令セットアーキテクチャ) を共有し、さらに設計柔軟性の高いソリューションを提供します。これら4種のDSPにより、ローエンドから超ハイエンドまで対応する広範なパフォーマンス領域をカバーし、スケーラブルでクラス最高のPPA (Power, Performance, Area) を実現します。新製品ConnX 110 / 120 DSPに関する詳細については、www.cadence.com/go/connx110をご参照ください。
面積が小さく、低消費電力のTensilica® ConnX 110およびConnX 120 DSPは、自動車、コンシューマー、インダストリー市場向けレーダー、ライダー、通信処理の柔軟性を向上します。
128-bit ConnX 110 DSPおよび256-bit ConnX 120 DSPは、N並列プログラミングモデルを特長とし、ConnX B10 / B20 DSPと完全な互換性があるため、ソフトウェアの互換性が保たれ容易に移行することが可能です。他のTensilica DSP製品と同様に、ConnX 110 / 120 DSPはTensilica Instruction Extension (TIE) 言語に対応しているので、命令セットのカスタマイズ、特殊データタイプの追加、DSPと外部ロジック間インターフェイスの統合が可能です。また、新しいDSPはNatureDSP、Eigen、Radarsライブラリー等の複素数値演算ライブラリーに対応しています。また、すべてのConnX DSPは、FlexLockを用いたASIL-DおよびASIL-Bに対応しており、自動車機能安全規格ISO26262に完全に準拠しています。
新製品Tensilica ConnX 110 / 120 DSPの特長および機能は以下の通りです:
- レーダー、ライダー、通信アプリケーション用途に最適な命令セット
- 8ビット、16ビット、32ビット固定小数点、半精度浮動小数点、単精度浮動小数点、倍精度浮動小数点に基づく複素演算に向けた、128ビット (ConnX 110) および256ビット (ConnX 120) SIMDパフォーマンス
- 共通命令セットおよび簡素化されたプログラミングモデルにより、一度コードを記述すればConnX内で、異なるSIMD幅で利用可能(N並列プログラミングモデル)
- 少ないメモリー使用量、低消費電力での信号処理に向けて最適化されたアーキテクチャー
- リニアフィードバックシフト、畳み込み符号化、シングルピーク検出、デュアルピーク検出に向けた加速命令オプション
- さらにConnX 120はViterbiおよびTurboデコード機能を提供
NXP® Semiconductors社コメント
Robert Dunnigan氏(director program management ADAS)
「NXPは当社のADAS製品の提供においてCadence Tensilica DSPコアを継続的に活用しています。当社にはシンプルなコーナーレーダーから先進のフロントエンド、4Dイメージングレーダーソリューションの用途までカバーする複数世代のレーダー製品がありますが、すべてCadence Tensilica DSPコアを活用しています。ConnXファミリー製品における機能やパフォーマンスの向上だけでなく、Automotive ASIL-B/D対応、そしてISO 26262準拠への注力に関しても、ケイデンスのDSP製品の今後の進歩を楽しみにしています。」
indie Semiconductor社コメント
Lionel Federspiel氏(executive vice president of engineering)
「当社は、衝突しない自動車を追求しており、安全な自動車を可能にするための様々なセンサー様式の開発に取り組んでいます。ケイデンスのTensilica ConnXプロセッサIPファミリーをindieのアーキテクチャーと併用することによって、ハイパフォーマンス、低消費電力でゲートカウントを最適化できる独自のデザインソリューションの実装が可能になります。車載ソリューションを専業とするイノベーターとして、品質と信頼性が当社の製品には不可欠です。」
ケイデンス・コメント
David Glasco(vice president of research and development for Tensilica IP)
「最近のレーダーおよび通信プロセスの開発においては、より短時間でより多くの処理を実行できるソリューションが必要になってきています。車載レーダーには、マルチアンテナや迅速に応答する高解像度システムが要求されます。同様に、5G無線通信には、前世代よりもさらに高いデータレート、低レイテンシーが必要です。新製品Tensilica ConnX 110およびConnX 120 DSPは、すでに効率の良いConnX DSPの処理性能をさらに拡張し、固定小数点および浮動小数点のさらに複雑なデータを低消費電力、小エリアで処理するための機能を強化することにより、新たな要件を満たすソリューションを提供します。」
ケイデンスについて
ケイデンスは電子設計の分野における中心的なリーダーであり、30年以上に渡り蓄積したComputational Softwareに関する専門知識をベースに製品開発を進めています。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、コンシューマー、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、産業、ヘルスケアなど、最もダイナミックな市場アプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。ケイデンスは過去8年間にわたり、Fortune誌の「働きたい会社ベスト100」にランキングされています。詳細については cadence.comをご参照ください。
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