ケイデンスの新製品Tensilica FloatingPoint DSP製品群、幅広い演算集中型アプリケーションにおいてスケーラブルなパフォーマンスを実現
モバイル、車載、コンシューマー、ハイパースケールコンピューティングアプリケーションのPPA (Power, Performance, Area)を最適化する低消費電力DSP IP、最大で40%のエリア縮小を実現
Yokohama, 18 Jun 2021
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス )は、6月17日(米国現地時間)、浮動小数点型の演算処理に特化して設計されたスケーラブルかつコンフィギュラブルなソリューションを提供するCadence®Tensilica®FloatingPoint DSP製品群を発表しました。本DSP IPコアはPPA (Power, Performance, Area) が最適化され、小型で超低消費電力かつ超高性能であり、幅広いアプリケーションに最適なソリューションです。適用分野は、バッテリー駆動のデバイスに向けたエネルギー効率に優れたソリューションから、人工知能/マシンラーニング (AI/ML)、モーター制御、センサーフュージョン、オブジェクトトラッキング、そしてモバイル用デバイス、車載、ハイパースケールコンピューティング、コンシューマーなどの市場に向けて開発される拡張現実/仮想現実 (AR/VR)アプリケーションまで多岐にわたります。
この新しいDSP製品群は、Tensilica FloatingPoint KP1 DSP、Tensilica FloatingPoint KP6 DSP、Tensilica FloatingPoint KQ7 DSP、Tensilica FloatingPoint KQ8 DSPの4つのコアで構成されています。先行してご評価いただいたお客様からは大変ポジティブなフィードバックをいただいており、実際の評価においてPPAに大きな効果があることが示されています。Cadence Tensilica FloatingPoint DSP製品群に関する詳細についてはwww.cadence.com/go/tensilicafloatingpointをご参照ください。
Tensilica FloatingPoint DSPは、共通な命令セットアーキテクチャ (ISA: Instruction Set Architecture)および既存のTensilica DSPがサポートするベクトル浮動小数点ユニット (VFPU: Vector Floating-Point Unit) を共有しており、ソフトウェアの移植性と再利用性を提供するとともに浮動小数点演算処理を容易にオフロードすることを可能にします。この新しいFloatingPoint DSPはTensilica Xtensa® LXプラットフォーム、NXプラットフォームいずれにおいても128ビットSIMDから1024ビットSIMDまで拡張することが可能で、VFPUを備えたTensilicaの固定小数点型DSPと比較して融合積和 (FMA: Fused Multiply-Add) 演算を25%向上し、演算スループットを高めます。また、Tensilica Instruction Extension (TIE) 言語を使用することにより、さらにパフォーマンスを向上し、付加価値を高めることができます。そしてFloatingPoint DSPは、同等クラスのVFPUを備えた固定小数点型DSPと比較して、最大で40%のエリア縮小を実現します。
これらの新しいDSPと共に提供される高性能なソフトウェアツールが効率的な自動ベクトル化を行い、最小限の労力でスカラーコードがVFPUを活用するよう最適化を支援します。また、最適化されたEigen、NatureDSP、SLAM (simultaneous location and mapping)、数値演算用の各種ソフトウェアライブラリーをサポートしており、高性能なソフトウェアの開発を容易にします。Tensilica FloatingPoint DSPは、既存の浮動小数点共通ソフトウェアスタックから新Tensilica FloatingPoint DSPへの移行、さらにTensilica FloatingPoint DSP Familyの各DSP間のシームレスな移行を可能にするソフトウェア開発環境を提供します。
Vayyar Imaging社コメント
Ian Podkamien氏 (VP and Head of Automotive)
「技術的な演算処理において一般的に使用される浮動小数点演算は、大規模または不確実なデータセットを処理する多くのレーダーアプリケーションにおいて必要不可欠です。我々はケイデンス社と何世代にもわたってIPコアの協業に成功してきましたが、ケイデンス社がこの重要な市場ニーズに対応し、実績のあるテンシリカ製品群を拡張してくれたことを大変嬉しく思います。様々なアプリケーションに最適化されたTensilica FloatingPoint DSPを活用することによって、Vayyar社のシステムオンチップセンサーは、自動車、高齢者介護、スマートホーム、小売、HLS、ロボット、医療など様々な業界において、エネルギー効率とパフォーマンスの向上に貢献することができます。」
ケイデンス・コメント
Larry Przywara (Senior group director, Tensilica marketing)
「現代の広範な演算集中型アプリケーションにおいては、浮動小数点数演算が幅広く使用されており、浮動小数点処理の効率向上に対するニーズが高まっています。競争力の高い差別化製品の開発には、浮動小数点中心の演算に特化して設計され、エネルギー効率に優れたコスト効率の高いハイパフォーマンスDSPが不可欠です。拡張性の高いTensilica FloatingPoint DSP Familyは、アプリケーションに関わらず浮動小数点演算に最適なPPAを提供します。今回発表した新しいDSPは、ケイデンスが長年培ってきたComputational Software技術をお客様の設計課題の解決に向けてハードウェアに適用した一例です。」
Tensilica FloatingPoint DSPは、卓越したSoCの開発を可能とすることによりケイデンスのIntelligent System Design™戦略を支えています。Tensilica FloatingPoint KP1 DSP、Tensilica FloatingPoint KP6 DSP、Tensilica FloatingPoint KQ7 DSP、Tensilica FloatingPoint KQ8 DSPは、既に一般提供を開始しています。
ケイデンスについて
ケイデンスは30年以上にわたり蓄積した演算ソフトウェア(computational software)の専門知識を基盤とする電子設計業界のリーダーです。Intelligent System Design戦略のもと、設計コンセプトを実現するためのソフトウェア、ハードウェア、IPを提供しています。ケイデンスのお客様は、世界で最も革新的な企業であり、コンシューマー、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイル、航空宇宙、産業、ヘルスケアなど、最もダイナミックな市場アプリケーションに向けて、チップからボード、システムに至るまで、卓越した電子製品を提供しています。フォーチュン誌は7年連続で、ケイデンス社を「働きがいのある会社ベスト100」に選出しています。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
© 2021 Cadence Design Systems, Inc.All rights reserved worldwide.Cadence, the Cadence logo and the other Cadence marks found at www.cadence.com/go/trademarks are trademarks or registered trademarks of Cadence Design Systems, Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.
お問合せ先