ケイデンス、National Instrumentsの傘下AWR Corporationを買収、5GなどRF通信に向けたシステム開発の革新を加速
Yokohama, 03 Dec 2019
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス)とNational Instruments Corporation(本社:米国テキサス州オースティン、以下National Instruments)は、12月2日(米国現地時間) 、ケイデンスがNational Instruments傘下のAWR Corporation (以下AWR)を買収することで正式合意したことを発表しました。AWRは高周波RF向けEDAソフトウェア技術における業界のリーダであり、今回の合意により自社の優秀なRFチームはケイデンスの一員になります。また、ケイデンスとNational Instrumentsは、通信分野に特化した電子システム開発の革新に向けた戦略的な協業関係を拡張することで合意しました。
AWRのソフトウェアは、複雑な高周波RFアプリケーションを開発するマイクロ波やRFの開発者に広く採用されています。そのテクノロジは、コンセプト段階から製造段階に至る開発期間を短縮することで、通信、航空・防衛、半導体、コンピュータ、民生機器などのシステム設計および製品開発を加速します。
ケイデンス コメント
Dr. Anirudh Devgan (president)
「急成長している5Gワイヤレスアプリケーションにおいて、通信やレーダー向けのチップ、モジュール、システムを開発する企業はマーケット参入加速に向けたプレッシャーに直面しています。開発期間の短縮とともに差別化製品の開発を実現するためには、設計、検証、解析をシームレスに行う環境が不可欠です。AWRの優秀な技術者と卓越したテクノロジを追加することによって、より統合化、最適化されたRF設計ソリューションを提供することが可能になり、ケイデンスのIntelligent System Design戦略の下で開発している卓越したシステム設計ソリューションの開発をさらに加速することができます。」
従来のRFやマイクロ波設計フローにおいては、エラーが発生しやすいプロセスが含まれており、設計生産性や機能の低下を招いていました。AWR® Design Environmentを、業界をリードするケイデンスのAllegro® PCB Designer、Virtuoso®、Spectre®プラットフォームとシームレスに統合することにより、RF回路が混在するICをより優れた設計環境で開発することが可能になります。また、設計者にとっては、電磁界解析および熱解析も手間のかかる難解な課題ですが、Clarity™ 3D Solver、Celsius™ Thermal Solver、Sigrity™ PowerSI® テクノロジなどケイデンスのシステム解析ツールを統合することによって解決できます。
AWR社コメント
Joseph E. Pekarek (general manager)
「RF/マイクロ波/ミリ波アプリケーションの開発において設計をワンパスで成功させ最適な設計パフォーマンスを達成するためにはクラス最高のソリューションが必要です。ケイデンスと力を合わせることによって、AWR Design EnvironmentとともにVirtuosoおよびAllegroプラットフォームの強みをさらに増強し、複雑なIC、パッケージ、ボード開発に対する完全なソリューションを提供していきます。」
今回の戦略的な提携の一環として、AWRの技術とケイデンスのソフトウェアの統合フローは、National Instrumentsのシステム開発ソフトウェアLabVIEW、モジュール製品PXI Systems、半導体データプラットフォームとの間でも緊密に接続することが期待されます。ケイデンスとNational Instrumentsの戦略的な提携に関する詳細については、ni.com/nati/newsも併せてご参照ください。
なお、ケイデンスは契約締結時に現金で約1.6億USドルを支払い、約110名のAWR従業員がケイデンスに加わることで正式合意されています。また本件は、規制当局の承認および通常の取引完了条件に従い、2020年第1四半期に完了する予定です。
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